訪問看護の需要増加の背景
高齢化社会の進展と在宅医療の重要性
近年急激に増加している「訪問看護サービス」。全国訪問看護事業協会の調査によれば、令和5年度の訪問看護ステーション数は15697。前年は14304ですから、1年で1000以上もの施設が開設されていることになります。訪問看護の増加の1番の理由は、やはり高齢化社会です。病院や施設では、高齢者が抱える問題や症状に対応した専門的なケアをすることが可能ですが、高齢者の多くは病院ではなく住み慣れた自宅で過ごしたいと考えます。そのため、訪問看護サービスによる在宅医療の需要が高まっているのです。
患者様や家族の在宅療養に対する意識の変化
また、訪問看護のシステムが整っていなかった昔に比べると、現代の在宅医療は、インターネットの普及や訪問看護サービス施設の増加によって、かなりクオリティの高い介護や看護が可能です。したがって、在宅医療や在宅療養といった医療サービスが患者様やご家族にとって安心感の高いものになっているのです。
訪問看護の現状
訪問看護利用者数の推移
高齢化社会が進み、訪問看護サービスの利用者は年々増加しています。厚生労働省の調査によれば、訪問看護サービスの利用者は、介護保険利用者・医療保険利用者のどちらにおいても、ここ10年でおよそ3倍もの増加数があります。
訪問看護ステーション数の増加傾向
訪問看護サービスを受ける流れとしては、利用者がかかりつけ医やケアマネージャーなどから勧められるケースが一般的です。しかし、中には訪問看護ステーションなどに直接相談をして、在宅医療を始めるという人もいます。いずれにせよ、訪問看護・在宅医療のサービスを受けるためには、訪問看護ステーションなどの専門施設から訪問看護師を派遣してもらう必要があります。したがって、在宅医療の希望者が増えるのと同時に、訪問看護ステーションの数も増加しています。
訪問看護師の需要と供給のギャップ
高齢化などによる利用者の増加に伴い、訪問看護ステーションなどの施設も急増した昨今の日本。しかし現実問題として、急増した訪問看護の需要と、訪問看護に関する施設に対して、看護師をはじめとする人材が不足しているという点が挙げられます。訪問看護の人手不足に関しては、厚生労働省を中心に補助金や助成金を出したり、訪問看護の人材活用システムを試験的に運用するといった試みが行われています。
訪問看護の需要増加がもたらす影響
患者のQOL(生活の質)の改善
訪問看護や在宅医療を利用する最大のメリットは、患者様にとって住み慣れた環境で看護や介護、医療のケアが受けられるという点にあります。地域によっては訪問看護のサービスが足りず、やむを得ず病院などの施設に入院して過ごしている患者様もいますが、今後も訪問看護サービスの拡大が続けば、より多くの人が在宅医療によって快適な療養生活を送ることができるようになります。
地域包括ケアシステムの推進
病院や施設の病床数の減少は、患者様の行き場をなくすことにも繋がりかねません。そうならないために近年は地域が協力して医療や介護の連携をとっていくという「地域包括ケア」が重要視されています。地域に住む患者様に対し、医療機関だけでなく、介護サービスや福祉サービス事業所などが連携することで、訪問看護はより行いやすくなります。
今後の展望
訪問看護師の人材育成と確保
訪問看護・在宅医療のサービスは近年急増していると言われていますが、どんどん設立される訪問看護ステーション(訪問看護事業所)などでは、必要な訪問看護師が不足しているというケースも多くみられます。というのも、訪問看護の仕事は病院看護師と同様の基礎的な看護の知識に加え、病院や施設以外の場所で臨機応変に対応しなければならない能力も求められるためです。そのため、看護協会や地方自治体などでは、訪問看護師の人材を養成するための育成カリキュラムなどを作り、人材育成に力を入れています。
訪問看護の専門性の向上
訪問看護の現場では、訪問看護師はもちろん、医師や薬剤師、理学療法士や作業療法士といったさまざまな職種との連携が欠かせません。これは、訪問看護サービスを利用する患者さんの症状や状況に合わせて組み合わせられますが、さらに患者様のQOLを高めるのであれば、訪問看護師自体の専門性も患者様に合わせてマッチングできるのが理想です。
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